ビジネスマッチングコラム vol.19

飛耳長目
M&Aの基本合意書の締結は婚約とたとえられています。婚約からイメージし、夜景がきれいな場所で今からプロポーズをしようとする2人が目に浮かびます。広くて静かで落ち着いた雰囲気のラウンジの画像です。婚約した2人の姿が想像できます。

基本合意書(MOU)の締結は婚約と同じ

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基本合意書とはMOU(Memorandum Of Understanding)などとも呼ばれる、最終契約書にいたる前の協議交渉の過程で、一旦合意するために締結する覚書です。

基本合意書の目的

基本合意書は、売手と買手がM&Aに対して両者ともに前向きに進んでいこうという双方の意思表示です。今まで重ねてきた話し合いや条件提示などを整理してお互いに合意する書面を作成し締結します。M&Aを結婚にたとえるならば、基本合意書は婚約することと同じです。

婚約は、将来一緒に生きていこうと決めた人と結婚の約束をすることです。婚約すると、結婚に向けて実感が湧いてきます。

ただ、婚約は法律上で保護される対象ですが、M&Aにおける基本合意書は、一部を除いて法的拘束力はありません。それでも基本合意書を結ぶ目的は、M&A成立に向けてデューデリジェンス、最終契約などを円滑に進める役割を持ち、売手と買手の両者が基本的な内容について合意に達したことを確認することができ、心理的拘束力が形成されていきます。また、買手は独占交渉権が付与される点がメリットになります。

最終契約へのゴール設定が明確になりますので、成立の確度が高まり、売手にとってみれば期待が高まります。

基本合意書を結ぶタイミング

基本合意書を結ぶタイミングは、一般的にはトップ面談後でデューデリジェンスの実施前です。売手と買手の両者で話し合った内容について合意が得られ、今後のスケジュールを明確にすることでお互いがさらに本気で話を進めようとするタイミングで結びます。

基本合意書に記載する一般的な内容

○M&Aの対象
対象が会社全体であるのか、会社の事業の全体であるのか、また、会社の一部なのか、会社の事業の一部なのかなど、さまざまなケースが存在するため、対象範囲について明らかにするために記載します。

○M&Aの取引スキーム
M&Aの取引スキームとしては、株式譲渡、事業譲渡、合併、会社分割などがあります。どのような方法によって、M&Aの取引を行うのかを記載します。

○買収価格
基本合意書時点での買収価格は、最終的な価格となるわけではなく、あとで変更される可能性があります。特にデューデリジェンスで減額要因が洗い出される可能性もあります。
先ほど基本合意書は法的拘束力をもたないと記載しましたが、買収価格を記載しておくことで、価格に変更があった場合は”明確な変更理由”が必要になります。

○スケジュール
今後のデューデリジェンス、最終契約締結日、クロージング日などのスケジュールを記載します。おおよその目安を記載することが多いです。

○独占交渉権
独占交渉権とは、買手の1社のみが売手との交渉を有効期間内に限り独占的に行うことができる権利です。通常は2ヵ月~6ヵ月程度が一般的な期間です。独占交渉権については法的拘束力をもたせることが一般的です。
売手にとっては、他の買手からよい条件が出されても交渉ができないので不利かと思うかもしれませんが、買手もこのM&Aに向けて時間やコストなどを存分にかけています。そのため独占交渉権は買手へ誠意を見せることにもつながります。

○秘密保持義務
とにもかくにもM&Aにおいて秘密保持は非常に大切です。秘密保持においても法的拘束力をもたせるのが一般的です。

○その他の合意事項
その他には、善良な管理者の注意義務や誠実交渉義務、基本合意書の有効期間、M&A後の役員および従業員の待遇など、両者で合意した内容を記載します。

最後に

基本合意書は原則的には結ぶことが望ましいですが、必ずしも締結しなければならないものではありません。

弊社で過去に行ったM&Aで、基本合意書を締結せずにご成約になった事例も多数あります。また基本合意を交わしても破談になることももちろんあります。その当事者同士の事情や状況を考慮しながら、基本合意書を締結するか否かは話し合いで決めていけばいいのです。

基本合意書の締結は、両者にとってM&Aを成立させる1つのステップです。
基本合意書の中身や内容に関してはネット上にもサンプルがたくさん出ていますが、まったく同じ条件のM&Aは決して存在しませんので、両者が望むM&Aにするために必ず内容をよく確認し専門家にもチェックしてもらってから締結することが望ましいです。基本合意書はM&Aにおける”婚約”と呼ばれるほど、両者の気持ちも昂り明るい未来に向けて進む手段になります。

M&Aをご検討されている方、ご興味をもたれた方は、<support@gift-map.jp>宛にご連絡ください。

2021.11.10掲載

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