ビジネスマッチングコラム

飛耳長目vol.17
M&Aアドバイザーの現場雑観① 理論と情緒の両極端

M&Aアドバイザーの現場雑観①
理論と情緒の両極端

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わたしは日々M&Aをご成約までサポートすることを仕事としていますが、アドバイザーがどんなに専門知識をもっていても、それだけでは成功に導くことはできません。一方で相手の気持ちをすべて理解し、同情し感情的になってばかりでもことは上手く進みません。成功に導けるのは知識という理論と、人の感情に同調できる情緒の両極端を持ち合わせているアドバイザーだと考えています。

M&Aにはさまざまな手法、プロセスがあります。売り手が求める目的、買い手が求める目的から、その当事者に合った手法・プロセスを選び、交渉を進めます。手法には、株式譲渡、事業譲渡、会社分割、資本提携、業務提携などがありますが、たとえば株式譲渡と一言でいっても、売り手の会社の財務状況、業種、特性、規模、地域性、買い手の求める条件、置かれている状況などすべてが異なり、なにひとつとして同じM&Aはありません。売り手がM&Aを行うことを決断し、買い手を探し、マッチングし、交渉を重ね、最終契約に至り、経営統合するプロセスも、M&Aが行われる数だけ違ったプロセスがあります。千差万別のM&Aに対応するためにアドバイザーは、法務、財務、労務など多岐にわたる幅広い知識を必要とします。M&Aの提案、シナジー効果を考慮するためには、売り手・買い手の事業の理解、その業界の理解、さらに発想力、提案力も必要です。ほかにも、売り手・買い手両方からの要望に応え話をまとめるための交渉力、問題解決能力、ときには両者以外の第三者の利害関係者などに対しても説得が必要になります。
それらを兼ね備えて理論を組み立て、道筋を明確にして進めていき、両者が納得して最良となるM&Aに導いていくわけです。

しかし、上記のような理論だけでは最良なM&Aにはなりません。

理論で進め成約ばかりに重点が置かれ、売り手の社長の気持ちを汲み取れないアドバイザーもいますが、それは本当に良いアドバイザーとは言えないでしょう。大事に大事に育ててきたわが子(会社や事業)を断腸の思いでM&Aしようと決断した社長の思いは計り知れません。創業社長の場合は、特にそのおもいが大きいです。また決心しても最後まで心は揺れ動きます。
もちろん買い手の社長の気持ちも想像して汲み取れなければよいアドバイザーではありません。両者のおもいだけではなく、売り手・買い手に関わるまわりの人たちのおもい、さらに、M&Aによってその後に起こりえる状況も想像しないと、M&Aを行ったことで不幸になることもあります。M&Aに関連する人たちの心を理解し、M&A後の未来も考えることができ、感受性が強く、さらに広い視野を持ったアドバイザーが真の友好的M&Aに導くことができると考えます。

しかし、ときにM&Aにはシビアな面が訪れ、理論どおりにいかないこともあります。法律問題や人事問題、資金調達の問題、買い手の気持ちが冷めるなど、さまざまな問題が出てきます。したがって、1つひとつの問題を解決し、シビアな状況にも当事者と一緒に果敢に立ち向かうために、アドバイザーは理論と情緒の両極端を持ち合わせていなければなりません。

丁寧に道筋を立てていくことも必要ですが、ときには大胆さも必要です。動物的に直感で行動することでここぞというタイミングを逃しません。文系と理系の両方の考え方、いつでも臨機応変に対応できるよう左と右に対応できる力、ミクロとマクロを兼ね合わせた視点。
要領よく行うことも必要ですが、喜怒哀楽を大いに感じて感受性豊かにし、お客さまに寄り添います。
また、自分が信じる道やこだわりを強く持ち、最後まで集中力を切らさずにやり遂げるアドバイザーは強いです。このようにM&Aの成功に導くためには、両極端に幅広い知識や見解をもち合わせていなければならないと考えます。

M&Aアドバイザーとしての役目を果たすためには、今までの人生経験すべてが大切になり、今後も真のアドバイザーになるために終わりなき修業をしていかなければと思っています。

最良なM&Aに導くために、理論と情緒の両極端を持ち合わせたM&Aアドバイザーに相談するようにしましょう。“この人少しぶっ飛んでない!?”、“この人変わってない!?”と思うようなアドバイザーが、最適なM&Aに導いてくれるかもしれません。

M&Aのご相談をされたい方は、<support@gift-map.jp>宛にご連絡ください

2021.9.8掲載

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