ご成約事例 case38
case38
願いは従業員の継続雇用
その人柄に託した会社の未来
業績順調も事業の引き際を模索
日豊は神奈川県川崎市に本社をかまえ、千葉県などに工場をもつ管工事の会社。プラント配管の設計・溶接から工事現場での施工までを手掛ける。代表取締役の江藤政治氏は故郷の大分県から20代の頃に上京し、管工事のノウハウを習得し、30代後半で会社を創業した。複数の安定した取引先をもち、業績は順調だったが、70歳を過ぎたころから引退を考えるようになった。「後継者はいません。長年ともに事業を営んできた妻が体調不良になり、引退して2人での生活を大切にしたいと思いました」。一方で従業員の雇用も考え、GIFTmapのM&Aアドバイザーとともに、事業を引き継いでくれる会社を探し始めた。
千葉県茂原市にある日豊の工場
北海道から本州へ、事業拡大を図る
譲受側は北海道北斗市に拠点をおく、総合建設会社の澤田建設。代表取締役社長の澤田龍氏はこれまでにも戦略的にM&Aを進め、北海道だけでなく関東、関西、福岡などに子会社をもつ。日本テクノでは澤田建設の太陽光発電設備の保安管理を請け負っていた。M&Aアドバイザーから紹介を受け、日豊の情報を見た澤田氏は「財務状況が安定している点がいい。また関東にあらたな拠点をかまえることで今後の事業拡大に向けたシナジーが期待できると考えました」と話す。
澤田建設の北海道本社
日豊の願いは従業員の雇用継続
2025年11月初旬にトップ面談を行い、すぐに両者は意気投合した。親子ほどの年齢差があるものの、江藤氏は澤田氏の温厚な話し口や穏やかな表情に触れ、すぐに「継いでくれるのは澤田さんがいい」と思った。また澤田氏も「最初にお会いしたときに、同席された従業員の方が江藤社長の引退に涙していたのが印象に残っています。従業員を大事にされている会社なんだということが分かりました」とその印象を話す。日豊の希望である従業員の継続雇用を約束して、株式譲渡が決まった。
調印式は日本テクノ本社で執り行われた
初対面から2ヵ月弱のスピード締結
2025年12月25日、日豊の発行済み株式の95%を譲渡する株式譲渡契約が成立した。調印式を終え江藤氏はほっとした様子を見せる。「管工事の仕事は朝早くから夜遅くまで長時間労働で、これまで会社の内務を任せてきた妻には苦労をかけました。今後は妻との時間を楽しみながら、会社のサポートもしていきます」。江藤氏は2年ほど顧問として残り、業務を引き継いでいく。澤田氏も譲渡契約の区切りを経て「日豊を長く成長していける会社として守っていきます」と力強くその先を見据えた。
株式譲渡契約が成立し、固い握手を交わす日豊の江藤 政治氏(左)と澤田建設の澤田 龍氏(右)
今回の株式譲渡成立のポイント
- Point 1 | 日豊の従業員の雇用継続が叶う
- Point 2 | 澤田建設の関東の拠点となる立地
- Point 3 | 互いの人柄に惹かれた

