ご成約事例 case35
case35
長年の取引先に迷惑をかけたくない
社長の強い想いが事業の引き継ぎ先を手繰り寄せた
取引先からの要望で廃業を先延ばしにしてきた
みさと産業は埼玉県三郷市でプラスチック成形業を営んでおり、機械部品や玩具のパーツを製造している。主要な取引先から「みさと産業のつくる部品がないと困る」と事業継続を強く要望され続けてきたものの、代表取締役の須賀昌夫氏は高齢となり廃業の選択が濃厚になっていた。夫婦経営で従業員もいないが、取引先へ迷惑はかけたくない。そんな悩みを日本テクノの担当営業に相談したところGIFT mapを紹介され、事業を引き継いでくれる企業を探すことになった。
みさと産業のルーツは須賀氏が兄たちと営んでいた須賀プラスチック(1960年創業)
きっかけは一通のメールマガジン
当初は株式譲渡により会社を譲ることを考えたが、社屋が賃貸であるなどの事情を鑑み、残したい事業だけを譲り渡す事業譲渡のスキームを選択。2021年から譲渡先を探索し、数社とトップ面談を実施するも、条件面で折り合いがつかず良縁に恵まれないまま時間が経過した。しかし根気強く探索を続けた2025年5月、みさと産業の案件情報が掲載されたGIFT mapのメールマガジンに興味を示した企業があった。それが今回の成約相手である東高通信工業だった。同社は通信インフラ系の物品をメインにさまざまな製品を製造している。
東高通信工業はグループ会社が日本テクノのサービスを導入している縁でGIFT mapを知った
将来的な事業の多角化を検討していた
東高通信工業の業績は安定しているが、取締役社長である長野尚樹氏は大手通信会社との取引に仕事が偏っていることを懸念しており、顧客の幅を広げ事業の強靭性を高めたいと考えていた。同社は金属加工のほかプラスチック加工も手がけている。メールマガジンを見た長野氏は事業譲渡の内容に魅力を感じ、以前からやり取りをしていたM&Aアドバイザーにすぐに問い合わせた。7月にはトップ面談を行い、須賀氏と直接協議。「事業内容はもちろん、すでに信頼関係が築けている取引先を得られることは重要な点です。販路拡大が狙えるなど、長期的な戦略が立てられました」(長野氏)。
須賀氏は東高通信工業の工場を視察し、譲渡予定の製品が製造可能であることを確認した
万全の準備で事業を引き継ぎ
長野氏は譲受の実現に向け、親会社・グループ会社との調整に奔走。生産設備を新調するなど万全の準備を整え、11月の取締役会で最終決議を得ることができた。須賀氏は「当社よりずっと大きな会社なので、最初は本当に事業を引き継いでくれるのかと不安でしたが、今では大きな会社だからこそ安心してお任せできます」と安堵の表情を見せた。長野氏としても、受注の伸びていなかった分野にみさと産業の事業を充てることで弱点を補うことができ、なおかつ新しい挑戦にもつながると今後への期待を語った。
事業の引き継ぎ完了をもって須賀氏は引退予定(左からみさと産業 須賀昌夫氏、東高通信工業 長野尚樹氏)
今回の株式譲渡成立のポイント
- Point 1 | みさと産業が長年をかけて築き上げた取引先との信頼関係
- Point 2 | 両社の立地が近く、引き継ぎがしやすいこと
- Point 3 | 譲渡する事業が東高通信工業の余力のあるラインに合致したこと
- Point 4 | 販路拡大だけでなく、事業の多角化も狙えること

