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ご成約事例 case34

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case34

無二の縁が両者を引き寄せた
貫いた「金型一筋」が未来への道筋をもつなげた

株式譲渡。譲渡側は有限会社本間金型製作所、代表者:本間正郎、事業内容:プラスチック金型設計・製作、所在地:新潟県燕市、設立:1958年、従業員数:3名。譲受側は株式会社長津製作所、代表者:山野井清、事業内容:プラスチック用精密金型設計・製造およびプラスチック成形加工、組立、所在地:神奈川県川崎市、設立:1956年、従業員数:80名

70歳を迎えて本格的に考え始めた事業承継

1958年の創業から金型一筋で事業を営んできた本間金型製作所。おもにプラスチック成型用の金型を製造しており、技術力はもちろん、素早い対応、小回りの利いたサポートが強み。さらに客先からの高いレベルの要求にいかに応えていくかを第一に考えてきたことで信頼を確かなものとし、良好な財務状態で安定した経営を続けてきた。代表取締役の本間正郎氏は、まだまだ元気で仕事は続けられるものの、自身の年齢、そしてあとつぎがいないこともあり、70歳を過ぎてから会社の今後をどうしていくべきかを考え始めた。

本間金型製作所は金融機関にも事業承継を相談していたが、ここだと思える企業に巡り合えなかった

買手候補は「50年前の勤務先」

日本テクノのM&Aアドバイザーに譲渡先の探索を依頼したものの、なかなか良縁に恵まれず2年が経過した2024年12月、とある会社が興味を示した。詳細を本間氏に伝えると、その会社は本間氏が専門学校卒業後に初めて就職した会社だったことがわかった。この縁をM&Aアドバイザーが候補企業に伝えると、先方も縁を感じ、交渉がスタート。現在は神奈川県相模原市に生産拠点を置く長津製作所は1956年の創業で、本間氏が在籍した約50年前は東京都品川区に本社工場があった。

長津製作所の新潟工場。行き来がしやすいこともポイント

少数精鋭と技術力に魅力を感じた

長津製作所ではプラスチック用精密金型の設計から製造、そして成形加工から組立までを一気通貫で手掛けている。代表取締役の山野井清氏は、現時点では積極的な事業拡大は考えていないものの、少数精鋭で1人の従業員がすべての工程を対応できる本間製作所の体制に「学べる点が多い」と感じた。自社では部門ごと縦割り体制を敷いているが、本間金型製作所のエッセンスを取り入れることで生産性向上につながることを期待。また、設計・製造が難しい二色成形に対応が可能なことにも魅力を感じ、買受を決断した。

調印式は日本テクノ本社で執り行われた

「金型一筋」の強みを未来へ引き継いでいく

2025年7月のトップ面談後、数回にわたる条件面の交渉や視察を経て調印に至った。株式譲渡後も当面の間は本間氏が代表取締役を務める。妻で取締役の明美氏は退任し正社員として再雇用。山野井氏と、後継者である山野井健氏が新たに取締役として就任した。今後の実務は健氏を中心に進めていく方針。健氏は「本間金型製作所は金型だけで利益を出せる体質である点も含め、当社にはないものをたくさん持っています。営業力を共有し、人員も入れ、今後も長く金型づくりを続けていける体制を整えていきます」と今後のビジョンを語った。

調印を終えてにこやかな表情の両者(左から長津製作所 山野井清氏、本間金型製作所 本間正郎氏)

今回の株式譲渡成立のポイント

  • Point 1 | 同業種のためシナジー効果が見込まれる
  • Point 2 | かつての勤務先であり、双方が縁を感じた
  • Point 3 | 同じ県内に生産拠点があり、行き来がしやすい

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