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ご成約事例 case32

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case32

真面目な売手社長と、明るい買手社長
シナジー効果はもちろん、互いの人柄も大きな決め手に

株式譲渡。譲渡側は有限会社大竹製作所、代表者:大竹久雄、事業内容:金属部品製造、所在地:福島県郡山市、設立:1965年、従業員数:3名。譲受側はミズホ金属株式会社、代表者:岡田真一、事業内容:ドラム缶部品製造、所在地:東京都葛飾区、設立:1979年、従業員数:28名

息子に苦労させたくない一方、廃業も惜しい

1965年創業の大竹製作所はさまざまな輸送機器や無線機器に使用される金属部品のプレス製造を行っている。長年にわたり地元有力企業との取引があり安定した経営を続けてきたが、創業社長である父から引き継いだ代表取締役の大竹久雄氏は家族と話し合い、息子に後を継がせないことを決めた。金型を使用した製造は大量生産向きで、多品種少量生産が要求される昨今は業界自体が縮小傾向にある。息子に苦労をかけたくない想いが強かった。しかし従業員は定年前で、今会社を畳む訳にはいない。土地・建物・設備だけでなく、優良な顧客もいる状態で廃業するのも惜しく、事業を継続する手段を探していた。
2021年に日本テクノのM&Aアドバイザーが買い手探しを始め、2025年初頭にある企業とトップ面談を行うも、条件面で折り合いがつかず合意には至らなかった。その後も地道に探索を続け、2025年6月にマッチングしたのがミズホ金属だ。葛飾区に本社があり、創業は1979年。代表取締役の岡田真一氏が父の後を継ぎ、現在は主にドラム缶部品の製造を行っている。以前からM&Aアドバイザーが定期訪問していたが、6月に大竹製作所の買受を提案すると即座に名乗りを上げた。というのも、福島県に持つ生産拠点に内部的な事情で一時的に稼働制限がかかってしまい、さらに大口案件の受注機会が重なったため、生産の委託先、もしくは新しい拠点を探しているタイミングだったのだ。

大竹製作所 外観

大竹製作所 工場内

財務状況から真面目な人柄が伝わってきた

急場の必要性と、かねてから検討していた事業拡大の企図の双方を解決できると期待し、岡田氏はすぐに視察を希望。当月内にトップ面談が行われ、その場で大竹氏と意気投合。細かな条件面の擦り合わせを経て、7月の契約調印となった。岡田氏は以前にも別の会社の買受を検討した時期があったが、「堅実な経営ではなかったのでその会社の買受は止めました。バランスシートには経営者の性格が出ます。大竹社長はムダを省いた理想的な経営をしていること、そして従業員を大切にしていることが伝わってきました」と大竹製作所の買受の決め手を話す。設備投資なく生産拠点を拡大できる実利的なメリットにくわえ、大竹氏の人柄も大きな魅力だった。

ミズホ金属(ふくしまスマートファクトリー) 工場内

技術力継承、人材育成を視野に発展を誓う

「私は営業や経営に注力してきたため、自分に技術力がある訳ではありません。確かな技術力のある大竹社長と出会う機会を得られてありがたく思います」と話す岡田氏。今後は当座の生産を大竹製作所で行うほか、外注していたプレス部品を内製化したり、従業員の交流により人材育成にも力を入れていく方針だ。大竹氏も「天性の行動力と明るさで周りを引っ張っていく岡田社長の元であれば、当社の社員も気持ちよく働いてけると思います。ともに会社を成長させ、明るく楽しい職場づくりをしていただきたいです」と今後に対する期待を語った。大竹氏は今後2~3年は会長として業務や顧客の引き継ぎを行った後に引退する予定だ。

期待に表情を綻ばせる両者(左から大竹製作所 大竹久雄氏、ミズホ金属 岡田真一氏)

今回の株式譲渡成立のポイント

  • Point 1 | ミズホ金属の生産拠点の課題をすぐに解決できる
  • Point 2 | 技術力を継承し人材育成ができる
  • Point 3 | 外注していた生産を内製化できる
  • Point 4 | 社長同士の人柄

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