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ご成約事例 case31

ご成約動画

case31

長期経営計画のため決意した事業譲渡
譲渡先の経営課題を補う農業のM&A

事業譲渡。譲渡側は株式会社恵新自動車学園、代表者:織田和陽、事業内容:自動車教習所運営、所在地:北海道小樽市、設立:1969年、従業員数:110名。譲受側は有限会社コロポツクル、代表者:岡田雅彦、事業内容:旅館業、所在地:北海道虻田郡、設立:1990年、従業員数:4名

自動車学校が始めた新規事業

恵新自動車学園は1969年の創業。道内で指定自動車教習所を4ヵ所運営するほか、車両整備や自動車販売など、自動車関連の事業をおもに手掛けている。中長期的な経営計画を立てるなかで新規事業展開を検討していたところ、青年会議所などの縁もありきくらげの栽培事業について知った。天候に関係なく1年を通して収穫できることや、新たに人員を増やす必要がないこともあり、自社の状況と相性がよいと判断。2021年に事業を立ち上げ、余市自動車学校の敷地内で年間4~6トンのきくらげの生産を行ってきた。

恵新自動車学園(余市自動車学校)外観

当初は好調だったが、次第に採算割れに

自社で販路を開拓し、安定した収入を得ていたが、事業開始時から栽培を担当していた従業員の離職をきっかけに栽培効率が下がり始めた。次第に採算が取れなくなり、事業廃止という苦渋の決断を下した。代表取締役社長の織田和陽氏は以前から日本テクノのM&Aアドバイザーから譲受の提案を受けていたが、事業譲渡の相談をすることにした。
買受の候補企業に挙がったのは、ニセコで宿泊事業を営むコロポツクル。ゲレンデまで徒歩5分の好立地に位置し、1990年の創業以来経営は順調だが、閑散期である夏場の収益の確保が課題だった。

関係者一同できくらげ栽培コンテナを視察

夏場の経営の弱点を補いたかった

代表取締役の岡田雅彦氏の祖父が農業を営んでいた縁もあり、夏季はジャガイモやトウモロコシを中心とした農業事業を展開している。収穫した作物は出荷する以外にも運営施設の食事で提供し、自社の価値向上にも役立ててきた。恵新自動車学園のきくらげ事業は人員を増やすことなく農作業が可能であることから家族経営の自社に向いていると判断。栽培期間は3~4ヵ月であるため、繁忙期は休止できる点も魅力に感じられた。両社のニーズは合致し、約2ヵ月で合意にいたるスピード成約となった。

コロポツクルの自社農園。羊蹄山を望む

双方の経営戦略に符合するM&A

事業譲渡契約の締結にともない、恵新自動車学園のきくらげ栽培に関する設備一式がコロポツクルへ譲渡された。今後、コロポツクルでの栽培体制構築のため、恵新自動車学園との間で引継ぎや情報交換を行っていく。織田氏は「エンドユーザーさまにおいしいとよろこんでいただける事業で、継続していきたかっただけに手放すことになり残念ですが、コロポツクルさまに引き継いでいただけることをありがたく思います」と話す。岡田氏も季節による収益の増減を補えることへの期待感とともに「織田社長とのつながりを持てたことで、今後の事業展開がさらに楽しみになりました」と語った。

今回だけでなく、今後の交流についても期待を膨らませた(左から恵新自動車学園 織田 和陽氏、コロポツクル 岡田 雅彦氏)

今回の事業譲渡成立のポイント

  • Point 1 | きくらげ栽培が比較的着手しやすい事業であること
  • Point 2 | 栽培設備一式が揃った状態での譲渡であること
  • Point 3 | コロポツクルの経営スタイルに合致していること

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