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ご成約事例 case30

ご成約動画

case30

アナログの魅力を大切にしたい
一度途切れかけた縁を、共通の価値観がつなぎ直した

株式譲渡、業務提携。譲渡側は茨城精機有限会社、代表者:平山浩二、事業内容:金属機械部品加工、所在地:茨城県北茨城市、設立:1969年、従業員数:3名。譲受側は株式会社クボタ、代表者:久保田強、事業内容:プレス加工および金型設計、所在地:群馬県渋川市、設立:1962年、従業員数:54名 株式譲渡、業務提携。譲渡側は茨城精機有限会社、代表者:平山浩二、事業内容:金属機械部品加工、所在地:茨城県北茨城市、設立:1969年、従業員数:3名。譲受側は株式会社クボタ、代表者:久保田強、事業内容:プレス加工および金型設計、所在地:群馬県渋川市、設立:1962年、従業員数:54名

「元気なうちにどうにかしたい」

1969年に東京都板橋区で創業した茨城精機。現社長・平山浩二氏の妻である茂子氏の父が創業した金属機械部品加工を行う企業だ。平山氏は2004年に代表取締役に就任。優良な顧客基盤と財務状況で安定した経営を続けてきたが、後継者が不在だった。2022年9月、定期訪問した日本テクノの営業担当に「いずれ廃業するかもしれない」と伝えると、GIFT mapを紹介された。夫婦ともに元気なうちに、会社の先行きを決めておきたいという気持ちがあり、日本テクノに買手探しを託すことにした。

なかなか優良な相手企業が見つからないまま1年が過ぎたころ、GIFT mapから配信された茨城精機の案件情報がクボタの代表取締役である久保田強氏の目に留まった。クボタは1962年創業。群馬県渋川市でプレス加工および金型設計製作を行っている。多品種少量生産を強みに事業を展開してきた一方で、機械加工や板金、塗装といった工程が課題だった。茨城精機とは地理的には離れているものの、お互い既存顧客が相手のエリアにいることもあり、事業面でのシナジー効果以外にも仕事を融通し合える可能性もある。茨城精機の発行済み全株式の譲渡に向けて話し合いがスタートした。

茨城精機外観。少数精鋭のスピーディな対応が持ち味

クボタ工場内

一度は破談になりかけた交渉

特に久保田氏が魅力を感じたのは茨城精機の熟練の技術力。「機械加工分野においてアナログの技術と知識は衰退傾向にあります。平山社長のノウハウを当社の社員に伝承してほしいと強く思いました」(久保田氏)。社内の機械では作れない部品などを、茨城精機へ自社の従業員を派遣し製造することで人材育成を行うなどの構想が広がった。トップ面談と互いの会社視察を重ね最終譲渡契約を作成する段階まで進んだが、2024年12月、互いに譲れない部分において認識に齟齬があったことが発覚。どうしても折り合いがつかず、契約は一旦白紙となった。

茨城精機工場内

ともに歩みたい気持ちは変わらなかった

一度仕切り直すことで「かえって冷静に見直す時間になりました」と平山氏。年明け、ともに歩む方法について話し合い、まずは茨城精機の発行済み株式の10%をクボタに譲渡する資本業務提携契約を結ぶことで合意した。「時代の変化に合わせていかなければならない部分はもちろんあるが、変わらない部分も大切にしてきたい。平山社長にはまずは人材育成の面でご協力いただくとともに、事業の継続についてもあらゆる力を尽くしていきます」(久保田氏)。茨城精機の経営は引き続き平山氏が主導していくが、両社では今後を見据えて技術、顧客、人員などの面での発展、そして拡大を誓い合った。

これが最初の一歩だと固い握手を交わした(左から茨城精機平山 浩二氏、クボタ 久保田 強氏)

今回の業務提携成立のポイント

  • Point 1 | 2代目社長同士で年齢も近く共通点が多い
  • Point 2 | アナログを大切にしたいという方針が一致
  • Point 3 | 互いの事業の不足部分を補い合える
  • Point 4 | 技術力の継承に期待

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