ご成約事例 case27

case27
コロナ禍の影響で苦戦する和食懐石
大きな助力を得て巻き返しを図る


新型コロナウイルスの影響
和食・懐石料理店「成花」を運営する株式会社天一は創業60年以上の歴史を誇る。企業の周年会合や忘年会、さらに地域の慶弔などの会席および仕出し弁当などを通じ、地元の人々に広く受け入れられてきた。しかし2020年に新型コロナウイルス感染症が流行したことで利用客が減少。コロナ融資の返済も始まると店舗は厳しい運営を余儀なくされた。代表取締役の塚越麻須美氏はGIFT mapのメールマガジンをきっかけに2024年5月に当社と仲介契約を締結。再建に向けたパートナー探しが始まった。

群馬県太田市の「成花」

総合生鮮販売業とのシナジー
日本テクノのM&Aアドバイザーはまず地元の食品関連企業をピックアップし、広く協業の道を探り始めた。その後、さほど間をおかず群馬県高崎市の株式会社オルビスが興味を持った。オルビスは食肉卸を祖業として現在は食肉、青果の販売の他、総菜の製造販売を手掛ける総合生鮮販売会社だ。代表取締役社長の大熊章之氏は今後を見据え、水産品も取り扱い品目にくわえたいと考えており、懐石料理店であれば水産分野でのシナジーが見込めると考えた。

群馬県高崎市のオルビス

ネットワークが生んだ業務提携
塚越氏は「新型コロナウイルスの影響にくわえ原料の値上がりなどで悩んでいました。M&Aというと事業を諦めなくてはならないと思っていましたが、今回M&Aアドバイザーから、資本業務提携というシナジー効果の見込めるマッチング案を提案いただきました。私は成花というお店を諦めたくなかったので、オルビスさんの力をお借りしてテコ入れに取り組む決心がつきました」と話す。大熊氏も今後について「当社は現在事業のさまざまな部分で六次産業化による高付加価値化を図っています。成花さんとの提携は当社にとっても今後を見据えた新たな一歩になりました」と話す。

株式譲渡契約調印式にて

提携を契機に反転を図る
今回の契約は天一の発行済み株式の20%をオルビスが取得することで、資本業務提携を約束するもの。2024年10月に契約調印式が執り行われた。成花は今後、新規顧客として若年層やファミリーも取り込むべく、ターゲット設定を見直して反転攻勢をかけようと考えている。その際にオルビスの持つネットワークと仕入力を大いに活用したい考えだ。M&Aアドバイザーのあらゆる可能性を視野に入れた最適スキームの提案が、両社の第二幕を後押しした。

調印を終えて(左から大熊氏、塚越氏)
今回のM&A成立のポイント
- Point 1 | 総合生鮮販売と懐石料理店のシナジー効果
- Point 2 | 両社の事業にかける思い
- Point 3 | 将来を見据えた販路の構築