-

ご成約事例 case20

ご成約動画

case20

高品質と納期厳守、そして確かな技術力
高い企業価値をあえて下げることで譲渡成功に賭けた

株式譲渡。譲渡側は有限会社アイケイポリマー、代表者:福田友一(76歳)、事業内容:プラスチック射出成形、所在地:茨城県下妻市、設立:2000年、従業員数:6名。譲受側は大真精機株式会社、代表者:千葉哲朗(66歳)、事業内容:ブロー成型用金型の設計・製造、所在地:千葉県鎌ケ谷市、設立:1976年、従業員数:24名

「絶対に不良品を出さない」。長年のこだわり

プラスチック射出成形を主に手がけるアイケイポリマーは2000年設立。埼玉県三郷市で会社を興した後、現在の茨城県下妻市に移転した。代表取締役社長の福田友一氏は「不良品ゼロ」「納期厳守」をモットーとし、取引先から厚い信頼を得ている。国際的な人気アニメのプラモデル製造も行っており、業績は好調。しかし後継者が不在のため、数年前から会社の売却を考え始めた。後々のため会社の価値をあえて下げようと、少しずつ受注を控えるように。買手候補企業が現れた際のハードルを下げようと考えたのだ。

アイケイポリマー外観。取引先からの事業継続を期待する声は大きい

将来に渡り事業基盤を安定させるために

一方の大真精機は1976年の設立以来安定した経営を続けている。課題は1社の取引先による売上が大半を占めていることで、代表取締役の千葉哲朗氏はリスク回避のため2本目、3本目の柱がほしいと考えていた。M&Aでグループを形成し事業領域を広げる狙いだ。2019年から日本テクノに買受を相談。なかなか条件に合う企業に巡り合えなかったが、アイケイポリマーの情報を知るやすぐに手を挙げたシナジーが望めるうえ財務状況もよい。最も待ち望んだ条件だった。

大真精機外観。きっかけはG I FT mapからのダイレクトメールだった

全社を挙げての熱意に心を打たれた

8月にトップ面談を行った後はスムーズに合意に至った。大方の合意形成が済んだ後、千葉氏は従業員たちに初めてのM&Aに臨む意思を伝えた。大真精機はブロー成形の金型製造に長い間携わってきたが、射出成形は未経験の領域だ。従業員も一丸となっての技術継承が必須となる。千葉氏は福田氏に、全員で成形を覚え、引き継ぐ覚悟であることを伝えた。「最初は不安もありましたが、大真精機の皆さんの覚悟を聞きありがたく感じています」と話す福田氏。M&A成立後、さっそく大真精機の従業員に自らの技術を伝えていく考えだ。

品質の維持には安全管理も大事な要素と語る福田氏

両社の存続、そして発展のために

今後、大真精機からアイケイポリマーへ数人ずつ派遣し、福田氏の技術を学ぶ。福田氏は最低1年間は顧問として留任。「ものづくりに完璧はありません。焦らずに取り組んでほしい」と話し、技術と共に自らのモットー「不良品ゼロ」「納期厳守」も伝えていく構えだ。千葉氏もその精神に同意しており「新しい体制で確実な品質と納期を実現できるようになるまでは、受注を控えているアイケイポリマーの仕事量で修練を積みたい。軌道に乗ってきたら、2~3年後を目途に新しい顧客を開拓していきます」と今後について計画を語った。

調印を終えるとさっそく今後の計画を協議した
(左からアイケイポリマー 福田友一氏、大真精機 千葉哲朗氏)

今回のM&A成立のポイント

  • Point 1 | 日常的に行き来可能な距離
  • Point 2 | 大真精機の全社一丸で技術を引き継ごうという覚悟
  • Point 3 | 福田氏が一代で築き上げた技術力
  • Point 4 | 双方にとって人材育成と受注拡大の機会となる

ページトップへ