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ご成約事例 case19

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case19

若い力でグループを牽引してほしい
2年がかりで見つけた最適なパートナー

株式譲渡。譲渡側は株式会社市川製作所、代表者:市川雅得 61歳、事業内容:精密機械部品の加工、精密機械の設計・製作、所在地:岩手県北上市、設立:1981年、従業員数:14名。譲受側は株式会社南クラフト、代表者:南淳一 41歳、事業内容:精密機械部品の製造、加工、販売、所在地:宮城県宮城郡、設立:2019年、従業員数:70名(グループ全体)

現役でいられるうちに譲渡先の検討を開始

岩手県北上市で精密機械の設計・製作、および部品加工業を営む市川製作所。先代である父が個人事業として立ち上げた事業を代表取締役の市川雅得氏が1981年に法人化した。顧客ごとに異なるニーズに柔軟に対応し、「本当に求めているものは何か」を聞き出す課題解決力で取引先からの信頼を築いてきたが、後継者問題に悩んでおり数年前から第三者承継を主眼におき売却先を個人的に探していた。なかなか思うように話が進まなかったが、2020年12月にM&Aアドバイザーが訪問。日本テクノに買手探しを託すことにした。
2022年6月、有力な買い手候補とマッチングし、1年をかけ交渉に取り組んだが、条件面で折り合いがつかず最終的に破談となってしまった。市川氏は落胆したが、M&Aアドバイザーはその後すぐに南クラフトの代表取締役である南淳一氏に市川製作所を紹介。事業内容や譲渡条件が南クラフトにとって非常に魅力的で、南氏はその場で買受の意思を固めた。南クラフトは2019年設立。宮城県宮城郡を拠点に精密機械部品の製造、加工、販売を行う3社のグループを形成している。不足する技術領域をカバーできる会社をグループに迎えたいと考えており、トップ面談から約1ヵ月という短期間でのスピード成約となった。

市川製作所 外観。強みは課題解決力

さまざまな形状の部品加工に対応することができる

積み上げてきた実績こそが事業の魅力

南氏は市川製作所について「技術力はもちろん、丸物から角物までオールマイティーに対応できる点が大変魅力的です」と話す。部品製造の現場において、丸物と角物は加工設備が異なるため、両方を備えている事業場は貴重だ。市川製作所がグループにくわわることで既存3社では対応できず外注していた領域が内製可能になる。南クラフトが抱える課題にとって直接的な解決策だった。市川製作所としてもコロナ禍で打撃を受けた業績を回復させるのに南クラフト経由の受注は大きな助けとなる。互いの強みを共有し弱みを補い合うことで、東北に根ざしたさらなる事業の成長を誓う。

南クラフトグループ子会社内を視察する市川夫妻

建設的なグループ戦略で全体最適化を図る

「南社長はお若く、企業人時代の人脈や知識が豊富です。M&Aで傘下にくわわっているほかの2社も、どこを改善すればよくなるかを的確に分析し戦略を立てている。当社では課題は分かっているものの、資金的にも年齢的にも解決が難しいと考えていましたが、南社長の陣頭指揮で牽引していただけると期待しています」(市川氏)。数年間は顧問として技術の継承に努め、南氏とともに課題解決を図る。南氏は今後の戦略として、各社の顧客接点をはじめとする情報の洗い出しを細かに行い、グループの未来像を模索していく。

技術だけでなく情報、人材も共有していく
(左から市川製作所 市川雅得氏、南クラフト 南淳一氏)

今回のM&A成立のポイント

  • Point 1 | 焦らず時間をかけてベストな条件の相手を探すことができた
  • Point 2 | 同業種でありながら異なる領域をカバーし合える
  • Point 3 | それぞれが培ってきた技術、経験を共有できる
  • Point 4 | 南クラフトのグループ戦略による成長への期待

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