ご成約事例 case14

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case14

製造業の明るい未来のために!
グループ一体となりさらなる高みをめざして戦いに挑む

株式譲渡。譲渡側は株式会社岡モールド、代表者:岡浩一氏66歳、事業内容:プラスチック金型の設計・製作・加工・改造・修理、所在地:大阪府摂津市、設立:1990年、従業員数:5名。譲受側は三洋金属工業株式会社、代表者:下大川丈晴氏、事業内容:精密金属加工・部品組み立てほか、所在地:大阪府門真市、設立:1987年、従業員数35名。

半世紀に渡り磨かれた熟練の技

岡モールドはプラスチック金型の設計から製作を手掛けている。代表取締役の岡浩一氏はこの道50年の熟練の職人で、3D CADを駆使して自ら設計を行う。加工や改造、修理も得意とし、取引先企業から信頼を得てきたが、近年は財務状況が悪化。一人娘の真奈美氏には苦労させたくないため跡を継がせるつもりはなく、次第に事業の継続について悩むように。いよいよ会社をたたもうかと考え始めた2020年、営業担当からGIFT mapの案内を受けた。

岡モールドは、勤務先の廃業を機に岡氏が当時の仲間たちとともに設立

買受候補はM&A経験者

当初、岡氏は「自分の会社が本当に売れるのだろうか」と懐疑的だった。しかし岡モールドは高い技術力をもち、従業員の練度も高い。営業担当から引き継いだM&A アドバイザーはこの火を絶やしてはならないと大阪府内を中心に探索に注力。そのなかで2021年にGIFTmapを通じてM&Aを行ったことのある三洋金属工業へ打診した。代表取締役社長の下大川丈晴氏に岡モールドの買受を相談すると、「ぜひ一緒にやりたい」と力強い言葉が返ってきた。

三洋金属工業グループ傘下の「三晴プラスチック」ではプラスチック成型を行う

製造業の未来にかける想いが一致

大阪のモノづくりに対して並々ならぬ思いを抱いている下大川氏。担い手の減少により事業の継続が困難な企業も多いという製造業の抱える課題に対し「女性の従事者が増えると異なる視点から改善点が見えてくるし、単純に担い手の母数も増えます。いわゆる3K(きつい・汚い・暗い)払拭のため職場環境を継続的に改善し、男女同数をめざします」と話す。若手の育成も同じく重要課題であり、「残りの人生を技術の継承に使いたい」と語る岡氏の思いと共鳴した。傘下にプラスチック成型を行なう会社があり、事業の相性も良い。両氏の製造業の未来への思いと事業のベストマッチングといえた。

調印式で父への手紙を読み上げる真奈美氏

技術の継承は「今後の生き甲斐」になる

長年アルバイトとして岡氏を支えてきた真奈美氏も「皆は諦めていないのに自分は何もしなくていいのか」と一念発起。これまでは経理や事務作業が主だったが、父の技術を継ぐべく機械加工の修練を始めた。発行済み全株式の最終譲渡契約調印式が行われた日、真奈美氏は三洋金属工業の正社員として入社。今後は岡モールドへ出向し業務にあたる。岡氏は代表取締役に留任し、グループの1 社として下大川氏とともにモノづくり業界の明るい未来へ向けて邁進する。

始終和やかな雰囲気のなか、最終譲渡契約が交わされた
(左:岡浩一氏、中:岡真奈美氏、右:下大川丈晴氏)

今回のM&A成立のポイント

  • Point 1 | グループへの加入により安定した経営が見込める
  • Point 2 | 金型と成型の相互融通が実現でき、資源の合理化が図れる
  • Point 3 | 岡氏の後続への思いと下大川氏の若手を育成したいという理念が共鳴
  • Point 4 | 熟達した技術力がグループ全体の経験値を底上げする
  • Point 5 | 真奈美氏の安定した雇用が約束され、絆が深まる

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