ご成約事例 case13

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case13

60年間で築き上げた技術力。この会社を未来へ残したい
「従業員は宝」と語る経営者兄弟がM&Aを選択

株式譲渡。譲渡側は株式会社シンワ、代表者:大家祐二64歳、事業内容:プレス金型設計・製造、精密プレス、所在地:長野県諏訪郡、設立:1963年、従業員数:13名。譲受側は株式会社和田精巧、代表者:和田英樹、事業内容:プレス金型設計・製造、精密プレス、所在地:山梨県甲州市、設立:1990年、従業員数19名。

「黒字廃業」を回避するために

長野県諏訪郡で精密プレス業を営むシンワは1963年の設立。金型の設計・製造から加工までを手掛ける。従業員の技術レベルは高く加工手法も豊富で、好調な業績を維持し優良な取引先も多数抱えるが、あとつぎ問題だけが唯一の悩みだった。金融機関などのM&Aサービスも検討したが、2021年12月に当社とのES SYSTEM契約を締結した際、担当営業からGIFT mapについて情報を得た。電気管理の契約も始まり、これも何かの縁とM&A仲介契約を締結した。

シンワ外観。1969年にこの場所に移転して以来、変らぬ姿だ

事業拡大の青写真が現実味を帯びた

探索を始めると買い手候補企業はすぐに数社現れた。しかし条件面などでなかなか前に進まず、探索先を長野県内から山梨県まで拡大。諏訪郡は山梨県に近く商業的な結びつきも強いためだ。2022年9月、当社M&Aアドバイザーの提案により和田精巧が現地視察に訪れる。代表取締役の和田英樹氏は、「技術力の高さに驚きました。同じ設備だが当社とは異なる技法を持っている。設備投資の面で二の足を踏んでいた事業拡大がシンワと組めば可能になると直感しました」と話す。

シンワ工場内。プレス加工による精密な部品製造を得意とする

従業員に対する「想い」も決め手のひとつ

和田精巧はシンワ同様、精密プレス業を生業とする。地の利はもちろん、同業種であるため設備や仕入れ先などの共通点が買受を後押しした。加えて「従業員の皆さんが元気よく挨拶してくださり、工場内が整理整頓されている。社員教育が行き届いていると感じました」と和田氏は感心する。シンワ代表取締役社長の大家祐二氏は「従業員は宝。待遇を変えず大切にしてくれることが譲渡の絶対条件でした」。取締役会長である正司氏(先代社長で大家氏の兄)も「自社の得意なことを活かしている点や、強みをきちんとPRしているところが私たちと似ている。人柄も誠実で、和田社長ならお任せできると確信しました」と譲渡の決め手を語った。当社に依頼してから1年。思いが叶った。

和田精巧社内。工場内には最新設備が並ぶ

現在の取引を絶やさず確実にバトンをつなぐ

今後について不安と楽しみが半々であるという和田氏は「シンワの60年という長い歴史で積み重ねてきた技術を継承し、取引先との信頼関係を保っていけるか。初めてのことで不安も大きいですが、お二人の協力をいただきながらやっていきます」と話す。プレス業界の課題である若手の育成についても、「独立したい」という気概のある若者が出てくるくらいに力を入れていく考えだ。大家両氏は今後数年間かけて、和田氏の旗のもと技術の継承に努める。

業界全体の課題も見据え、今後について協力を約束
(左:大家正司氏、中:和田英樹氏、右:大家祐二氏)

今回のM&A成立のポイント

  • Point 1 | トップ同士の相性
  • Point 2 | 甲信地方という同じ商業圏であること
  • Point 3 | シンワが好業績かつ企業価値が高かったこと
  • Point 4 | 同業種であるためスムーズな引継ぎが可能
  • Point 5 | 得意とする加工分野が異なるため互いの技術を学び合える

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