ご成約事例 case11

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case11

理念が近しいからこそ実現した迅速なM&A
互いの事業の品質を上げ、幅を広げる

株式譲渡。譲渡側は有限会社丹生マーク、代表者:五十嵐六郎氏82歳、事業内容:特殊位印刷業、所在地:東京都墨田区、設立:1969年、従業員数:11名。譲受側は株式会社明和商会、代表者:本田啓二、事業内容:印刷業、所在地:大阪府東大阪市、設立:1990年、従業員数75名。

会社を残すにはこれが最後のチャンス

丹生マークは1969年の設立。各種印刷を幅広く取り扱うが、なかでも非紙系素材へのシルク印刷を得意とする。代表取締役の五十嵐六郎氏は創業者である先代の真摯な仕事ぶりや取引先を大事にするといった理念を大切にしながら事業を育んできたが、自分の後継者がいないという難問に悩んでいた。当社M&Aアドバイザーの提案に、事務全般を担当する創業者のご息女・山本清美氏も「きちんと引き継ぎをして会社を残すには最後のチャンスだと思いました」と当時を振り返る。

丹生マーク工場内。
職人が熟練の技術でシルク印刷の塗料を配合

事業拡大の足掛かりをずっと探していた

明和商会は1990年、大阪府で設立。営業力と企画力を武器に高品質なオフセット印刷を手掛ける。関西圏を中心に安定した顧客基盤をもつが、東京での事業拡大のきっかけをさぐっていた。当社M&Aアドバイザーから丹生マークの情報を得ると、すぐに上京して現場視察とトップ面談を行った。「五十嵐氏とお話すると、仕事や取引先に対する真面目な姿勢に共通点を感じました」(代表取締役社長 本田啓二氏)。面談の翌月には取締役会でも了承が降り、株式譲渡にむけた合意は円滑に進んだ。

丹生マークではさまざまな素材への印刷を手掛ける

互いの事業の付加価値を高めたい

同じ印刷業とはいえシルク印刷・オフセット印刷は設備やノウハウを異にするが、だからこそお互いの商機を拡大するチャンスだと本田氏は話す。双方、これまで自社の守備範囲外の業務は協力会社に委託してきた。今回のM&Aで、そういった受注を取りこぼすことなくグループ内でまかなえる想定だ。実は明和商会もシルク印刷を扱おうとして設備を揃えた過去がある。しかし受注頻度や人材面で運用がうまくいかず、数年で取り扱いをやめた。「ほろ苦い記憶だが、丹生マークとの縁をつないでくれた要素の一つになっているかもしれません」(本田氏)。

明和商会工場内。多様なオフセット印刷設備を保有

信頼関係を築き、ともに成長・発展していく

年の瀬を控えた12月に執り行われた調印式。「今朝、父の仏壇に手を合わせて報告してきました。安心して喜んでいると思います」と話す山本氏に、本田氏は「雇用継続を丹生マークの皆さんにしっかりと説明し、取引先にも迷惑のないよう移行していきたい」と応えた。五十嵐氏も「気持ちが楽になった」とほっとした表情だった。今後、明和商会の営業社員が丹生マークに常駐し、その技術や知識を習得予定。五十嵐氏は引き継ぎ完了まで顧問として籍を残す。双方の顧客にこれまで以上に多様な提案を行うことで業績拡大を狙う。

調印を終え、新たなスタートラインに立った
(左:本田氏、中:五十嵐氏、右:山本氏)

今回のM&A成立のポイント

  • Point 1 | 買い手の本格的な東京進出と拡大
  • Point 2 | オフセット印刷×シルク印刷で提案の幅が広がる
  • Point 3 | 円熟した技術を絶やすことなく継承できる
  • Point 4 | これまで外注していた業務を一部内製化できる
  • Point 5 | 東京・大阪双方の顧客に対しよりスピーディに対応できる

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