ご成約事例 case9
case9
事業継続のためにM&Aを選択、
シナジーによるさらなる成長に期待
一度は不調に終わった事業承継
1963年設立の有限会社双栄工機の事業内容は、クレーン部品の製作および設置工事など。代表取締役の木村憲彦氏(74)には後継者がいなかった。一方、譲受側のトリニティエンジニアリング株式会社はクレーンの法定点検・メンテナンスなどを手掛ける有限会社藤原電機製作所のグループ会社で、代表取締役の藤原佐介氏(42)は以前、双栄工機で仕事を教わり、経験を積んできた。木村氏は藤原氏への事業承継を検討したこともあったが、その時は買収資金が調達できず、断念していた。
双栄工機社内
これがラストチャンス
2021年8月に双栄工機は日本テクノとの電気保安管理契約の更新を迎えた。木村氏は、妻が病に倒れたことで限界を感じ、当社の営業担当に契約更新しない旨を伝えた。こうした経緯から当社のGIFT mapチームが木村氏を訪問。事業承継を念頭に、引き受け先を探すこととなり、トリニティエンジニアリングの名が再び浮上した。今回は藤原氏も「木村氏に恩返しする番だ」と考え、精力的に金融機関と交渉を行い、地元の信用金庫からの融資を取り付けた。
トリニティエンジニアリング社内
調印式は関係者が参集
相互の条件交渉を終え、2021年12月に株式譲渡契約の調印式が行われた。「やっとここまで辿り着きました。仲介役を買って出てくださったGIFT mapの担当さんはじめ、本日お集まりの関係各位に感謝しております。これからは少しゆっくり過ごそうと考えています」(木村氏)。「本日、新たな代表取締役として踏み出しました。お世話になった木村の親父の跡を継ぎ、もっと会社を強くしていきます」(藤原氏)。M&Aアドバイザーや士業、金融機関がチーム一丸となり、最終成約まで漕ぎ着けた。
調印式は融資を実行した信用金庫で行われた
クレーンに対するトータルソリューションを提供
両社は長年懇意な関係にあり、顧客のさまざまな依頼に共同で応えてきた。木村氏は引き継ぎなど含めてしばらく双栄工機に携わる予定だ。藤原氏は「2021年に国内クレーンメーカーで活躍していた方に、当社の相談役顧問に就任いただきました。相談役のアドバイスにより、経営状況が大きく好転してきています。この勢いで双栄工機の事業を引き継ぎ、さらなる業容拡大を実現したいですね」と話す。クレーンに関するトータルソリューションを提供する企業グループとして、今後一層の活躍が期待される。
無事に事業が引き継がれていった
今回のM&A成立のポイント
- Point 1 | 長年にわたり築かれた良好な関係
- Point 2 | クレーン製作とメンテナンスの相乗効果
- Point 3 | 専門家とアドバイザーらによるチーム力