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ビジネスマッチングコラム vol.41


M&A仲介物語
MさんとAさんが出会って結婚するM&A物語。今回は、その物語に出てくる両者の
仲人をするM&Aアドバイザーのお話だ。
仲人に必要とされる主な能力は、「傾聴力、調整力、想像力、仮説力、発想力、企画力、独創力、問題解決力、論理的思考力、突破力、クロージング力」…など。
起こる問題は、「MさんとAさんのギャップ、ズレ、不安、不満、損得、欲望、わがまま、打算、邪推、謙虚、あきらめ…」など。
そんな仲違いをいかに仲人するかがM&A仲介人の腕の見せ所だ。
ここで必要になる最も重要な仲人の性質は「感受性」である。
感受性とは自ら養えるものなのだろうか。
また感受性とは一体何なのだろう。
■感受性が強い
心のアンテナが人よりずっと敏感であること。音楽や芸術、何気ない言葉にも深く心が動く。ときには、誰かの沈黙やほんの小さな仕草にも感情が揺れ、知らず知らずのうちに心に残る。その敏感さゆえに、ちょっとした表情や言葉の端々に傷つくことがあるが、誰かのささやかな不安やよろこびにも気づき、人の気持ちを察することができる。
■感受性が豊か
カラーパレットのように感情表現が多彩で、日々の風景や何気ないひと言にさえ、心を強く揺さぶられる。美しさや温もりに敏感で、多くのものを感じ取る力を持つその心は、些細な空気の変化にもそっと反応する。ときにその優しさが胸を締めつけることもあるが、人の心の小さな揺らぎに気づき、理解しそっと寄り添うことができる。
感受性のはじめの一歩は傾聴することではないか。
相手の気持ちを理解するためには、まず相手の話に熱心に耳を傾けて聞くこと。そして、その言葉から相手の気持ちを深く、深く感じ取り、そこから奥底の本音を想像し仮説を立てる。
では、M&Aの仲介人はどんなことをしないといけないのか。
とにかく人たらしでなければならない。そして、Mさんに対しての人たらし、Aさんに対しての人たらしがまた公平でないといけない。
M&Aを行なうためには、MさんとAさんから、会社の情報を緻密に教えてもらう必要がある。
当然、嫌いな人に大切な情報を教えたいとは思わない。
信頼できる人には機密情報を教えてもいい。信用できる人には悩みを聞いてもらいたい。
さらに、MさんとAさんからはそれぞれの希望条件が出てくる。
ところが2人の希望には必ずズレやギャップがある。それをそれぞれ叶えることはいうまでもなく難しい。
2人の希望に対して公平な目で見て、ある程度のところで折り合いをつける。
つまり、中立的な立場からそれぞれへ人たらしであれるか。
人たらしの調整力。
ここまでできて初めて仲介人といえるのではないだろうか。(瑠波无)
2024.1.4掲載